日本の高校はほんとうにこれでいいのか

会社から自己啓発として資格取得を命じられ、プライベートな時間が制約されるという話があります。こんな方法で人間を拘束することができるんですね。

学校から大量の宿題が出されて、自由な時間がなくなるというのに似ています。
ついでに言えば、正規の授業のあとに部活動がついてくるというのも、会社の残業に似ています。

高校という場所は、サラリーマンになる準備、訓練の場として機能していたのかもしれません。どの程度その自覚があったかは別にして。
就職するということが、一生ひとつの会社に奉公することを意味していた時代には何の問題もなかったのかもしれません。

今、世の中が変わろうとしているとすれば、世の中を変えたいと望むのなら、
高校を変えなければならないんじゃないかとずっと思っていました。
でも、誰もそんな議論をする人がいないように見えます。

授業、補講、部活の練習と試合や合宿などで、一年中小さな人間関係の世界に閉じこもり、家族とゆっくり食事をする暇もなく、家族以外の大人と接触するのは学校の先生または塾の講師のみ。自由に使える時間はほんとうに少ないですよね。

まるで、自由に使える時間を与えることを恐れているかのようです。

自由な時間をどのように有効に使うか、私たちは赤ん坊のときから知っているわけではありません。10代の若者にこそ、自己管理の技術をきちんと教えるべきだし、そのためには日本の高校生はもっと自由な時間を与えられるべきではないかと思います。

もちろん、ただ開放するだけではダメで、さまざまな段階を踏んで環境を整える必要はあると思いますけれど。

管理されることに慣れて社会に出ることが、まわりまわって、ブラック企業の問題にも影響を与えているように私には見えます。自己管理のスキルがなければ、管理されるほうが楽に決まっていますから。