背面を開いて前屈

オペラ初挑戦に当たって、まず声作りから取り組んでいます。
なにはともあれ、本番で声が出なくなったら、みんなに迷惑をかけてしまいます。
力まず、遠くまで通る声が出せなければ話にならないのです。

声の呼吸法『声の呼吸法』(米山文明、平凡社2003)この本を読みました。
私は3歳からヤマハ音楽教室で音感教育を受け、小学校4年生から合唱部で歌を歌ってきましたが、声楽のプロの方に個人で指導を受けたことはないのです。なにかというと本を探してきて読もうとするのは、良い悪いはともかく私の癖です。

米山文明という方はお医者さんなんですね。耳鼻咽喉科の立場から発声の研究をされ、有名なオペラ歌手の診察などを担当されている方です。いろんなプロフェッショナルがいるものです。
アレクサンダー法という言葉がでてきました。このブログでも取り上げてきた、アレクサンダーテクニークのことですね。身体をしっかり自分のものにすることで、良い声につなげていきます。というか、よい呼吸をするためには、身体をしっかりコントロールできるようになっていなければならないようです。

もともと体調管理のためにさまざまなボディワークを試していたところですから、それがオペラに役立つのなら一石二鳥、得した気分です。俄然やる気がでてきました。

この本でいちばん印象に残ったのは、「背面を開く」という言葉です。腰を前屈させるとき、背面を開くという言葉を使うのだそうです。具体的には、仙骨と腸骨の間にある関節を広げることをいいます。仙骨というのは骨盤の中心にある骨で、骨盤全体を羽を広げた蝶にたとえるとその軸にあたる部分です。仙骨と腸骨の間は羽の付け根になりますから、それを広げると腰全体が左右に広がっていくような感じになります。
そういう風にして、前屈をする、と書いてあるんですよね。

これまで50年以上生きてきて、子どものときから身体が硬い、前屈が苦手でしたが、前屈をするときに腰のあたりを横に広げるなんていう話は、一度も聞いたことがありませんでした。

仙骨と腸骨の間の関節です。意識して広げると、なんて気持ちいいことでしょう。
上半身を前屈するとき、曲げるのはウエストではなくて、股関節ですよ、というのは、先にアレクサンダーテクニークの先生から教えてもらったことですが、確かに股関節の部分が曲がって前屈していくのがわかります。背部を広げて前屈する、もっと早く教えて欲しかった。。。

腰がほぐれてきたことで、足先に力が入ってきているように思います。もう少しです。

この本によると、背面を開くことで骨盤内腔のスペースを広げ、呼吸や声につなげていくことができるらしいのですが、まだそこまでは難しいです。とにかく、背面を開いて前屈、やってみようと思っています。