水面の天井を越える

2015年1月1日です。

世間にはガラスの天井ということばがあるらしいです。キャリアを積もうと社会でがんばってきた女性たちの間では良く知られた言葉のようですが、私はそのようなものとは縁のない世界に生きてきました。

ガラスの天井とは、「資質又は成果にかかわらずマイノリティ及び女性の組織内での昇進を妨げる見えないが打ち破れない障壁」とウィキペディアにありますから、昇進したいと望んでいる女性たちがつきあたる透明な天井のことなのだろうと思います。

私はそうではなくて、長い間、水面の天井を見てきた気がします。

海に潜って上を見上げると、水面の天井があります。その上の世界は見えませんが、そこから光だけが入ってきます。
私は溺れていたのだと思います。その天井は遠く、私は海の底をゆっくりと歩き、少しずつ岸辺に近づき、波立つ水面の上に、今、出てきました。

仕事を持つことができた。仕事を通じて社会に何ものかをなし、対価としての報酬を得ることができた。至上の喜びです。

週1回程度、数時間のアルバイトです。近所の塾で講師を始めました。
子どもの内面の成長に介入することができ、その手応えを感じます。不登校の子どもの親として培ってきた力を活かし、社会に貢献できると感じています。
「私」が社会に開かれた、と感じます。その意味では、私はこれまで「閉じこもり」の状態でした。

重ねて書きますが、私は健康で働ける状態だったのに閉じこもっていたわけではなくて、病気でした。どのように病気だったのかということを伝えるのはとても難しいと思います。でも、それを書くのも私の仕事なのだろうと思います。

越えることのできなかった水面の天井。
社会はその天井の向こうにあって、いつも自分自身と格闘していました。
でも今は社会がそこにあって、誰かに働きかけることができます。
天井を抜けて、水面の上に出ることができたと思います。

今年はいよいよ大学院入試を射程に入れて動いていこうと思います。修士号を取って、私らしい働きで社会に貢献してみたい。それが夢です。