こころと身体を一体として考えるきっかけとしての橋本病

先日、「橋本病」と診断されました。

正確には、潜在性甲状腺機能低下症という位置づけで、甲状腺の働きが少し鈍っておりそれを刺激するホルモンが過剰ぎみ。自分の甲状腺に反応してしまう自己免疫抗体ができて甲状腺が炎症を起こしキメが荒くなっているということです。

橋本病は「うつ」に似た症状を起こすことで知られていますが、見逃されて抗うつ剤などで治療しようとされてしまっていることも多いと言われています。私も長年自分は気分変調障害だと思ってきたし、一時期は発達障害によるものと考えた症状もたくさんあったのですが、ここへ来てもしや、その症状のいくつかは、甲状腺の機能低下に直接拠るものだった可能性もでてきました。

とくに、筋肉のひきつり、こわばり、といった部分については、なぜこんな症状が起こるのか不思議でしょうがなかったのが、合点がいったという印象が強いです。筋肉に古いものが溜まっていてうまく排出できないという感覚をずっと持っていたので、そこの部分と矛盾無くつながります。甲状腺ホルモンは代謝にかかわるといわれるそうなので。

しかしだからといって、こころの病気ではなかった、身体の病気だった、と考えるのは早計です。自己免疫抗体ができて自分のホルモンのバランスを崩してしまうということの原因は、おそらくこころの問題だろうと考えられるからです。

直感的には、「私は何ものか」というアイデンティティの部分に関連しているような感じがしています。ほんとうにこの25年、私は何ものだったんでしょうか。何になっていこうとしていたんでしょうか。混乱していた自分自身についてのイメージが、そのまま、自己を攻撃する抗体という形で現れているような気がしてしかたがないです。

橋本病は女性に多く、女性の20人に1人いるというデータもあるそうですから、女性の生き方というテーマとこの病気が繋がっているという見方もできるようにも思います。

私はこれまでこのブログを通じて、こころと身体の深い関係について論じてきました。「橋本病」はそれをもっと具体的なレベルで考えるきっかけとなるような気がします。ホルモンやミネラルバランス、腸内細菌の働きなど、死体を解剖してもわからないようなことは、これからわかってくることのほうが多いはずです。精神的な症状についての身体的な基盤が解明されたら、身体を全く調べず話だけを聞くような「精神科」という診療科はもしかしたら無くなってしまうかもしれないと思いませんか。

その反対に、身体的な病にどれほど人生のイベントへの対処の仕方や考え方の癖がかかわっているかが明らかになってくれば、どの診療科にもこころの専門家が配置されていく必要がでてくるようにも思います。

私は「橋本病」を自分なりに研究し、自分なりに病気とつきあい、最終的には改善してより健康になることを目指したいと思います。今は、それができるような気がしています。