大事なのは劣等感と向き合うこと

最近、真向法(まっこうほう)というボディワークを知りました。

開脚や前屈のような骨盤まわりの柔軟体操を数種類組み合わせて毎日行うという非常にシンプルな健康法です。もともと身体が硬くて他の人と同じように出来ず、若い頃にずいぶん恥ずかしい思いをした記憶があり、開脚や前屈のイラストや写真を見ただけで避けて通ってきた私ですが、今回は、アレクサンダーテクニークの関係の方の書いた記事で知ったということと、この本↓に身体が硬い人用の練習法が載っていたことで、やってみようという気持ちになりました。『イラスト決定版 真向法体操』(公益社団法人真向法協会、2016年毎日新聞出版

イラスト決定版 真向法体操

毎日少しずつでも続けることが大事なようです。

わたしの場合骨盤の周囲が固まっていて椅子に座ったときに背骨を立てて重心をすとんと座面に落とすことができません。いつも腰のあたりを不自然に丸めていてそれが当たり前になっています。ここがすっと伸びると気持ちいいだろうし、見た目もかなりエレガントになるだろうと思います。お尻をきゅっと突き出してその上に背筋をぴんと伸ばして座っている女性には憧れがあります。偏見かも知れませんがそのような姿勢の女性は考え方がのびのびしてして屈折したところがなく、物の扱い方が丁寧でがさつなところがない、というようなイメージがあります。

あくまでも自分の勝手なイメージです。憧れというのはたいてい偏っているものなのかもしれません。

どんなことでも、自分を縛っている劣等感を取り払えば、少しずつ上達することができるはずです。世の中の平均値を偏差値50とすれば、30を45ぐらいにするために必要なのは才能ではなくて劣等感と向き合うことなんだろうと思います。

こんな私でも、すっとした姿勢で椅子に座ることができるだろうか。どんどん年はとっていくけれど、今なら間に合うだろうか。

身体に意識を向けワークに取り組むと、この、身体に意識を向けるということがちょっとくすぐったい感じがあるんですよね。自分を大事にしているという感じが、なんとも妙にくすぐったい。いかに自分をないがしろにしてきたか、自分をがさつに扱ってきたかがわかるような気がします。何かに怯え身を硬くした古い自分が長い間そこに居座っていたような感覚もあります。恐怖、悲しみ、寂しさなどが湧き起こってきたらそれを静かに味わい尽くすことで、それらの感情が消化され楽になるだろうということは予想がつきます。これまでそうやって少しずつ自分の身体の硬直とつきあってきました。骨盤の周りには頑固な凝りがあります。覚えている限り小学生の頃から硬かったところです。古い古い、私の根本ともいえるようなものがこの凝りの中に閉じ込められているのかもしれません。

まだまだ開脚や前屈には至らず、普通の人なら苦にならないんだろうなというような格好でやっとかっとじんわりとストレッチしています。本当に自分を大事にすることは、外界から身を守るために身を硬くすることでもないし、他人と比較して自分が出来ないからといってそれを避けてしまうことでもないです。今ここにある、自分自身をただ優しく愛でること、今ある自分を認めること、そして一歩ずつ前へ進むことです。