中高生の睡眠時間は8~10時間が望ましいと専門家は言っているけれど

10代の若者の睡眠時間を削ると、絶望感や自殺念慮が増える、という米国の研究があるのだそうです。前回紹介したこの本に出ていました。

極論で語る睡眠医学 (極論で語る・シリーズ)

望ましい睡眠時間は8時間から10時間なのだそうです。同じページに出ている調査では日本の高校生の半数以上が6時間以下の睡眠時間で大変危険です。

昭和の感覚からすると、高校生が睡眠時間を削って勉強している姿は微笑ましいし、部活の朝練のために早起きして頑張っているのも清清しいということになるわけですが、ある時期から限度を超えてきたというのが事実なんじゃないかと思います。私が高校生だった昭和の時代には、大人たちもそれなりにしっかり眠っていたので、11時ごろまで起きていると深夜という感覚でした。変わってきたのは昭和の終わりから平成の始まりにかけての時代、いわゆるバブルの時期あたりで、大人も深夜残業が当たり前になり、コンビニは24時間開いているようになり、24時間闘えますかというコマーシャルが流れ、大人たちの生活に昼夜のメリハリがなくなってきたように思います。ちょうどその時期に私は田舎から都会に出てきたので特にその差を肌で感じました。

その後の時代にはテレビゲームが家でできるようになり、インターネットが普及して今に至るわけです。平成の初め頃にわが夫の会社にはフレックスタイムという勤務の仕方が導入されて、いつまで職場に居残っていても変じゃないという雰囲気になってきました。

ちょうどその時期に息子が生まれていて、赤ん坊を寝かしつけてうとうとしかけると夫が帰宅するという生活が続きました。夫の夕食の後片付けが終わる頃にまた赤ん坊が夜泣きする、の繰り返し。私は朝がだんだん起きづらくなり、今思えば抑うつの症状も出ていたと思います。そこで幼稚園、小学校となるわけですが、私の気分障害と息子の不登校につながっていく要因のひとつがこの睡眠の乱れだったようにも思います。

今の高校生の睡眠時間が短いことの実態は細かく調べてみないとはっきりしたことは言えないだろうと思いますが、大人の睡眠時間も問題が多く子どもも生まれたときから巻き込まれているのが現状で、全体として考えていく必要があるのはまず間違いないと思います。睡眠時間を確保することがどのぐらい重要でどのぐらい他のことより優先して考えなければならないのかということは、睡眠関係の本には出ているのですが、一般的はあまり認知されていないかもしれません。働き方改革をするのなら、子どもの生活パターンも同時に見直す必要があるだろうと思います。