責任を取る覚悟

認定心理士の認定が下り、IDカードが送られてきました。

巷では、役に立たない資格とも言われているようですが、私にとっては意味があります。なんだろう、人間としての尊厳を取り戻したような、そんな感覚です。

いつの間にか、自分というものに自信を失っていたと思います。

子どもが不登校になり、自分も精神科の薬を飲むようになり、だらだらと過ごして一日が終わることが増え、気が付いたら年をとっていて、体調はいつも悪く、友人は少なく、長い長いトンネルの中に入っていたように思います。今初めて、あのころは辛かった、ああ辛かったなーと振り返ることができるように思います。当時は辛さを自分で受け止めることができずどんどん体調が悪くなっていったように思います。

この種の体調の悪さはどうも元気な人からはただ怠けているようにしか見えないようで、嫌な言葉をかけられたことも思い出します。体調が悪いから責任取れないことも多くて、人と交わる場所から逃げているうちに、どんどん自己評価も下がっていきました。できない人と見られると、楽なこともあります。責任の重い仕事は回ってこないし、失敗しても呆れられるだけで強く叱られることもありません。そこへどっぷり浸かりこんだら、なかなかそこから出られなくなります。

怖いのです。責任を取るのが。

最近、その怖さと向き合っていました。大学院で自分の研究を完成させようと思えば、怖さを乗り越えて責任を取る立場に立たなければなりません。今までついてしまった習慣をやめ、足りないスキルを補う努力が必要だし、失敗を償う覚悟も持たねばなりません。

そんな時期に届いたのが認定心理士の資格認定でした。大学で取った単位を報告して申請することで得られる資格なので、直接仕事に結びつくものではないですが、学会の認めたスタンダードな心理学の知識を持っていることを証明してくれます。同じ資格を持つたくさんの人たちと同じ高さに自分を合わせるというか、もういちど社会に出てやってみようという気持ちを奮い立たせるに十分なきっかけのように思えます。

体調が崩れやすいのは変わりませんが、その中でも上手にやっていこうという気持ちになっています。