さて、私の肩こりは治ったでしょうか?

『雨の日は本を広げて』の最後の記事で、さもえらそうにポスト・モダンの身体性とか書いたのですが、もともと、私が身体の話題を取り上げたきっかけは私自身のからだがガチガチに固まっていたことからでした。

『雨の日』ブログのカテゴリー「ボディイメージを育てる」にエントリされた記事を眺めるとその流れが一目瞭然。最初の話題は「肩こり」、その次は「首こり」、その後「ねこ背」、「体幹」とすすんで、「フェルデンクライス」、「アレクサンダーテクニーク」と進んでいきます。番外編でアレクサンダーテクニークのDVDも紹介してきました。

で、私の肩こりはどうなったか、という話です。

自分のボディケアのことは『晴れの日』ブログにときどき書いていたのですが、最近は書きそびれていました。意識がからだから離れていたという認識からはじまって、筋肉や関節に意識を持っていき、力を入れたり緩めたりすることが自分自身でコントロールできるようにしていきました。からだは全体的に柔らかくなってくるのではなくて、四肢からからだの中心に向けてほぐれていったように思います。緩んだ部分は軽くなり、別なところが気になるようになり、そこに意識を集中し、というようなことをここ数年続けてきたように思います。

ひとつの場所が緩むのに何日もかかります。緩める作業にかかっているあいだは不快感が高まり、何か大きな病気なのではと不安になったりもしました。緩むときは気持ちがいいのですが、不思議なことに、同時になんらかの精神的な解放(泣いてしまったり、印象的な夢を見たり、昔のことを思い出したり)といったことが起こるように感じるのですよね。まるで、固まった場所に、古いこころの傷が保存されていたかのようでした。


能に学ぶ身体技法『能に学ぶ身体技法』(安田登、ベースボール・マガジン社)この本にはロルフィングというボディワークのことがでてきます。日本の伝統芸能である能の動きを学ぶ本にカタカナのボディワークという組み合わせが面白いと思いつつ、人間のからだを扱う上で西洋も東洋もないなぁ、と納得する部分もありました。

特に強調されているのは「腸腰筋」最近ちょっと流行りのようですね。骨盤部分の内臓の後ろにある筋肉で、インナー・マッスルという表現もされています。この腸腰筋を鍛える方法がこの本にでています。
 
鍛える前に、その周りの筋肉を十分ほぐしておくようにということなのですが、私の場合はまずその部分がまったく弾力を失ったゴムのようになっています。太ももの裏側なぞは筋肉なのか木の棒なのかわからないぐらいカチカチ。でも、この本に、前屈が苦手な人でもあら不思議、だんだん緩んでくる方法が載っています。私も試してみました。効果ありです。

 
ということで、今、骨盤の周囲を緩めることにかかっています。
 
内臓を含め、自分のカラダを自分のものとしてコントロールすることが、以前より多少できるようになりました。肩こりは、すっかりよくなったりしないです。肩はパソコンなどちょっとしたことで簡単に凝ってしまいますし、腰や背中など別の部分を気にしているときに頭部(すなわち脳)から何か(老廃物?)が降りてくるような感覚とともにズーンと首から肩にかけて重くなってしまうことが何度もありました。でも、緩め方がわかっている安心感があります。

こんなにも自分のカラダのことを気にしてこなかったんだなぁと思います。
世の中には小さいときから当たり前のように自分のカラダのことが良くわかっている人もいるんじゃないだろうかと思うと、今さらの大袈裟な表現なのかもしれないですが、私にとっては大事なポイントでした。

つらいときはシップも使っていますよ。貼ったところに意識がいきやすいと感じています。