私が家族療法を受けなかった理由

今となってみれば、息子の不登校には家族カウンセリングが合っていただろと思います。
でも、私は家族療法を受けなかったし、受けようとしませんでした。

家族療法というジャンルがあることを知らなかったかというと、そうではありませんでした。
不登校が家族の病理によって起こっているという直感もありました。
でも、私は家族カウンセリングに行こうとはしなかったのはなぜかということです。

外から見たら、行かなかった、となるのですが、私の中では、行けなかった、というのが正しいです。当時は心の中にさまざまな手かせ足かせがついていて、自由に行動を起こすことが難しい状況にありました。

家族療法を受けるというのは、自分の家族を告発することになるような気がしていたように思います。

息子が不登校状態にあったのは十年ぐらいまえで、ちょうど発達障害がブームになったころにあたります。何人もの知人、カウンセラーさんから、不登校になったのなら発達障害ではないかという指摘があり、発達障害の専門家という方には何人かお話を伺うことができました。

そういう場所を尋ねていったときにでも、「発達のことも大事だけど、家族の問題も考えたほうがいいかもしれないよ」と誰かに言ってもらえることを、どこかで期待していたように思います。
今から考えれば、無理な期待だったのだろうと思います。

何か不都合なことが起こったら、人々はその<原因>を探ろうとします。
子どもが発達障害だから不登校になったと考えるのなら、その子どもが<原因>という理屈になります。
暗黙のうちに、そうすれば、それ以外の人間は罪が軽くなるという心理がはたらいているのだと思います。周りの人間がそこへ逃げ込めば、当事者である子どもには逃げ場はなくなってしまうのですが、誰も気がつかないのです。

発達障害を持つ子どもの家族にはさまざまなアンバランスやもつれがあることが多いと思います。
発達障害の子どもがいるからこそ家族療法を受ける必要があるといえるかもしれないです。
私に誰か家族療法を紹介してくれていたら、私もあのとき相談に行ったかもしれないと思うので、同じような問題を抱えた人のために、ここにしっかり書いておきたいと思います。
家族を告発するような気がしているのであれば、まず、ひとりで行って話を聞いてもらったらいいと思います。
前回もリンクしましたが、家族カウンセリングが受けられる場所はこちらです。
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