国を守るための会議はどこでなされているのか

こうやって日記を公開していても、これは書かないという秘密はあります。
自分の尊厳を守っていくためには誰にでも秘密を持つ「権利」はあると思いますし、自分の中で外へ向かってどう対処していくかという方略があり、周りに対してどう立ち回るかという部分と自分の中での価値の置き方にはズレがあるし、実際、自分の思いと周囲の要請とをいかにすり合わせていくかというところに「生き方」とか「人生」とかいわれるものの醍醐味はあります。

集団にとってもウチとソトはあり、数人のグループであれ、大きな会社であれ、中で話し合われていることのうちには秘密の部分があり、集団の外とどう向き合っていくかが決定される過程は外側からは見えないものというのが、暗黙の了解だろうと思います。

ところが、最近国際放送やインターネットが発達して、他の国の内情が良く見えるようになってきました。ということは、私たちの国の中も外から良く見えるようになってきています。
テレビ中継されている国会や、生討論番組で、国の危機やそれを守るための方略について話題にすることは事実上できないでしょう。

民主主義の国に住んでいるつもりでも、ほんとうに大事なことを決定するための情報は知らせてもらえないし、決めることもできないのだな、と、感じます。それはどの国も同じです。

最近財政危機で話題になっているギリシャはすぐ隣がトルコで、イスラム圏とヨーロッパの境にあります。歴史的にはイスラム化した時期もあります。ヨーロッパ文化として要の場所に位置していて、ここへ別の勢力がやってきて支配するということがあれば、世界の勢力地図は書き換わってしまいます。ギリシャの人たちは国をどう守るか真剣に話し合う必要があると思いますが、どこでどう話し合うことができているのだろうと思います。

まったく同じことが、日本にも起きているように私には見えています。

日本が位置している場所は、世界の勢力地図にとって非常に大事な場所であり、肥大化しようとしている勢力が隣にある時期に、特にアメリカが強い圧力をかけてくるのは当然のことでしょう。と同時に守ってもくれています。
ひとつ間違えば国がなくなってしまうかもしれないかなり恐ろしい危うい状況にあってもおかしくないです。
そのような状況があることを皆で確認し、それに対して日本としてどう対処しようかということを自分たちで決めようとしたら、本当は、日本の中だけの秘密が守られた場所でさまざまな情報を共有しながらきっちり議論する必要があるでしょう。でも、それは今事実上できないです。
テレビや新聞で、実はこんな危機があると暴露することも、じゃあそのためにこういう戦略で諸外国に対処していきましょうと国民をあげて話し合うことも、できません。全部その様子が外国に筒抜けだとすれば、表に出すことができるのは「演出」だけです。本音の決定は全く見えない場所で私たちの知らないところで行われているのだろうと想像するしかありません。その決定に間違いがないことを祈るだけです。

一般の国民として今話し合わなければならないのは、どんな国になっていきたいかということだろうと思います。それは日本もギリシャも同じことです。国そのものが、これまでどおりのあり方を続けることが難しく大きな決断を必要としている時期に、つまりおおきな「迷い」の中にある時期にあるのだろうと思います。「演出」に惑わされて本質を見失ってはいけないように感じています。

あまり政治向きのことは書かないブログですが、今日は少しだけ書いてみました。