こころを病むということ

脳の炎症と考えてみることで今日から変われることがある

10数年という長い間、心身の不調とつきあってきましたが、ずっと気になっていたのが、副鼻腔に下りてくるどろりとしたものでした。普通に考えれば、それは蓄膿症による、副鼻腔の炎症ということになるのだろうと思います。 が、私の体の感覚としては、その液…

自分の気持ちを表現することの難しさと身体(からだ)の関係

アサーションについて正確に伝えられるほど私は解っていないと思いますので、詳しい情報は他で探していただきたいと思いますが、私にとってかなり手応えのある研修体験だったのは確かです。相手の状況や立場を配慮しつつ、自分の気持ちを率直に伝え、こうし…

「しごと」と胆力と創造の泉

「しごと」と私が言っているのは、賃金をもらえるかどうかとは関係なく、もっと広い意味でのことです。その人に期待されている社会での役割を果たしていること。たとえば、秘密を守るとか、集合時間に遅れないとか、そういうことも含めてです。頼まれたこと…

「信用」は良い仕事をすることで積み上げるもの

「信頼」は、ときどき「裏切り」にあうことがあります。 意図せずに信頼を裏切り、信頼の絆が切れかかったり、切れてしまったりすることもあります。それを修復するのにはとても長い時間と努力が必要です。わかっている人には当たり前のことが、私には長い間…

「信頼」と「安心」は似て非なるもの

生きていくうえでの大きな文脈としての「信頼」について書きます。これは、同じく生きていくうえでおなじぐらい大事な文脈としての「安心」とは別のものです。太陽は毎日東から昇ってくるし、空は青く、息を吸えば空気があり、大地は重力で身体を捉えてくれ…

私にとって社会的なコミュニケーションを困難にしていたもの

以前のブログで私が一番気にしていた「発達障害」は、もっとも軽度の自閉症スペクトラム、広汎性発達障害とかアスペルガー症候群とか呼ばれる人、とくに大人たちのことでした。同じ「発達障害」といっても、幼児の自閉症を思い浮かべる人もいれば、小学生のA…

精神の病を経験した者として発信していくことの意義

私が精神科クリニックに通っていた時期は、ちょうどうつ病のキャンペーンがテレビで流れ、新世代の抗うつ剤が夢の薬のように言われていた頃と重なります。しかし2010年を過ぎたころから、抗うつ薬について、その効果そのものを疑うという書かれ方をしたもの…

精神科の薬から離脱する方法と価値の遠近法

精神科の薬の話が続いてすみません。もう少し続けさせてくださいね。ベンゾジアゼピン系といわれている薬があります。抗不安剤や睡眠導入剤として精神科といわず、内科や歯科などでも処方されることがあるので、見たことがある人も多いはずです。 日本で発売…

症状は病気だったのかそれとも副作用だったのか

うつ病にかんする本を二冊記事にしました。抗うつ剤に関しては私は当事者だったので、本を読んでいろいろ考え込んでしまいました。(私の診断名は気分変調障害でした)精神科の薬は強力に脳や神経に作用します。巷のドラッグといわれているものに相当する怖…

日本のうつ病ブームをグローバリゼーションの流れで捉える

2000年ごろから10年ほどの間に、うつ病はあっという間に身近な病気になりました。それ以前のことを知らない、忘れたという人も多いかもしれませんね。キャンペーン以前のうつ病は、ごく一部の人がかかる怖い病気、ということになっていました。精神病になる…

不登校も自殺も社会問題だという視点を捨てないで

私は2002年ごろから6年ほど精神科領域の薬の世話になっていました。 「うつは心の風邪」というキャンペーンが張られ、うつ病の認知度が上がり、街に精神科クリニックの看板が増えてきた時期と重なります。その時期の精神科医療について書いた本を二冊読みま…

葛藤を処理するスキルはそのまま教養に通じる

ひとつ前の記事では、価値の遠近法について書きました。 絶対に必要なもの、あったら良いもの、端的に要らないもの、あってはならないもの、を区別できることが教養、というのが、鷲田清一さんの説であるということでした。これは優先順位をつけるスキルに関…

ちいさな私を抱く

更新が滞っているのは、ある本を読んでいるからなのですが、これがなかなか手ごわくて、時間がかかっています。ということで、今日は別な話を書きます。これも、書かないと、忘れてしまいそうなので。 ちょっと前に、村上春樹の小説を読んで、表現アートセラ…

こころの傷と文明について考えてみました

前々回、こころの傷から回復できなくなったり、傷があっても生きていくことができなくなった。その辺りのことを、書くと予告したのですが、これを書くのは難しいように思うので、しばらく保留にしたいと思います。こころの傷というのは、身体の傷とは少し性…

解離は脳と身体の中で起こっている

ところで、解離って何でしょうね。野間俊一『身体の時間』では、心的外傷のある人がフラッシュバックを経験するとき、「急激な生命的自己の反応に対して主体的自己がついていけず、両者のあいだにずれが生じている」(p.49)と書いてありますが、この「ずれ」…

解離していく現代と、発達障害の関係(2)

『身体の時間<今>を生きるための精神病理学』(野間俊一、筑摩選書)。前回にひきつづき、この本のことを書きます。この本で広汎性発達障害について論じられた部分は10ページちょっとなのですが、いろいろ大事なことが述べられているように思います。発達…

解離していく現代と、発達障害の関係(1)

更新のあいだが空きましたが、この本を読んでいました。『身体の時間<今>を生きるための精神病理学』(野間俊一、筑摩選書)。読み終えて、ストンと落ちたというか、発達障害のことをいろいろ調べていたときの疑問が解けたような気持ちになりました。キー…

メルヘンの秘密は源泉かけ流し

本を読むブログを3年やってきて、小説や詩集といったものは数えるほどしかやりませんでしたね。 子どもの時は物語は大好きでした。グリムやアンデルセンの童話、少年少女文学全集、探偵物やSFなど、かなりの量を読んだと思います。 中二の頃、急に小説が読め…

溺れたことのない人には溺れる気持ちはわからない

病気の話を少し書きます。私は今、精神科クリニックから内科に移って、漢方で体力をつけていますが、 何年もの間、軽度の抑うつ状態が続いていました。転院するときの診断名は気分変調障害です。うつ というと、ゆううつな気分、気分が落ち込む状態、と、ま…

長男の嫁にもいろいろあります

専業主婦、と書くと、最近は核家族の専業主婦のことを指しているんですよね。 長男の嫁、という話が、離れて住んでいる夫の親が急に骨折で入院し、洗濯物の世話をすることを指していたりします。 私は、結婚してこの方、21年間、長男の嫁として同居です。 義…